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2025.01.14

ときどきの信州飯田

日本のチロルと呼ばれる遠山の霜月祭り

霜月祭り(国重要無形文化財)今回の本祭りは2024年12月13日から14日にかけての深夜に一番の盛り上がりを見せました。遠山下栗の里(現在は長野県飯田市上村下栗)私自身、信州飯田の住人でありながら初めての体験です。ここは日本のチロルと呼ばれる標高千m最大斜度38度にある下栗の拾五社大明神。市街地からは1時間以上もかかる山深いところです。伝統に則り古式ゆかしく素朴でゆっくりとしたテンポで進んでいく様は町場の今様のイベント的な祭りとは一線を画す重みを感じます。遙々都会から毎年来るファンがいるのも頷けます。主役の火と湯と三十九ものお面に個性があります。地域人口90名の方達がひとつになって皆がなんらかの役割をもっての準備や稽古が末長い歴史を支えている、その一体感が伝わってきます。今も昔も変わらぬ天変地異の中で続けるひとの営みに喜び、祈りを捧げ、鎮めるのが原点なのだろうと思います。近代の異常気象は人類が自らもたらしてしまったものとすれば、今を生きる我々がなんとかしてゆかなければなりません。そんなことまで思いを馳せてしまう余韻の残るすばらしいお祭りでした。

 

 

撮影 2024.12.13~14 拾五社大明神にて 長野県飯田市上村下栗 霜月祭り