arrow-right.png ときどきの信州飯田ギャラリーを追加しました。 [2022.06.15]

 

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信州飯田の淡い緑
 アルプスの残雪も僅か谷筋だけとなっていよいよ新緑の季節となりました。飯田市のシンボル風越山は淡い緑に覆われます。濃い 緑と混在すると余計に淡さが引き立つようです。天竜川左岸から当社「アイス信州飯田工場」越しの遠望でも新緑の淡さがよく見て取れます。
 環境省百名水の猿庫の泉はこの風越山の山懐にあります。紅葉の猿庫もいいですが新緑はまた格別です。茶の湯に向いたと言われる所以は軟水つまり溶け出したものが少ない水に特徴があります。溶け出したものが多いつまり硬水である大陸の大河とは対極の水の性格です。この軟水文化がお茶や出汁や日本人の味覚のベースとなっています。
 今でも岡崎に現存する宗徧流の不蔵庵龍渓(1842没)宗匠がお茶に向いた水を求めてここに辿り着いたとされています。pH計などあり得ない時代に舌ひとつでいい水を探り当て、それが今日の科学でも裏付けられるという。そんな江戸時代のお話を現代のお父さんが子供に聞かせるというスタイルで昭和20年代の国語の国定教科書に「いずみを求めて」というタイトルで取り上げられ、この猿庫の泉が全国に知られることとなったようです。
 一帯は砂地の山。如何にもすっと真っ直ぐな檜が育ちそうな山肌です。その水はまろやかで清々しさが少し湿り気を帯びた澄んだ空気とともに鼻を抜けてゆきます。春から秋口まで週末は猿庫保存会の皆様による野点も行われています。どうぞお訪ね下さい。

〈左〉飯田市下久堅知久平から当社工場(左下)越しに風越山(標高1,535m)を望む 撮影日 2022.5.3
〈右〉飯田市 風越山山麓 猿庫の泉 撮影日 2022.6.14

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